“It’s the economy, stupid.” K字化が揺らす米国中間選挙

中間選挙では、上下院で民主党が僅差で多数派になると予想

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2026年10月22日

サマリー

◆2026年11月3日の米中間選挙では、景気指標の底堅さと有権者の生活実感との乖離が選挙結果を左右しうる。1992年大統領選挙では、“It’s the economy, stupid.”を掲げた民主党のクリントン氏がブッシュ(父)氏に勝利した。米国の選挙では、有権者の景気・物価に対する評価が選挙結果を予想する上でも重要になるといえよう。

◆足元の米国経済は実質GDP成長率が前年比+2%強と底堅く推移する一方、成長を牽引するのはAI関連投資や高所得層の消費に偏る。低中所得層では実質賃金の低下、貯蓄余力の縮小、クレジットカードローン延滞率の上昇が重なり、景気拡大の恩恵を感じにくい「K字経済(良し悪しが二分化する状態)」が鮮明になっている。

◆こうした低中所得層を中心とした生活苦は、トランプ大統領の支持率や消費者マインドを押し下げ、与党共和党への逆風となっている。中間選挙のメインシナリオは、民主党が上下院で僅差の多数派を獲得するというものだ。下院では民主党による多数派奪還の公算が大きく、上院でも激戦州の結果次第で民主党が優位に立つとみる。ただし、民主党内の急進左派候補が無党派層を取り込めないリスクもあり、圧勝は見込みにくい。

◆注目点は議席数だけでなく、民主党の「勝ち方」と共和党の「負け方」となる。各州の結果は、2028年大統領選挙を見据えた両党の主導権争いや、AI規制・課税を含む経済政策にも影響を及ぼしうる。そして、今回の中間選挙で民主党が躍進すれば、実質GDP成長率などのヘッドラインの数字だけでは捉えられない、米国社会の不満と経済の脆弱性が浮き彫りになるだろう。

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