FOMC 利下げ開始の先送りを示唆

再利上げには消極的、2024年内の利下げ開始は明言せず

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2024年05月02日

  • 経済調査部 主任研究員 矢作 大祐
  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼

サマリー

◆2024年4 月30 日・5月1日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジが、従来の5.25-5.50%で据え置かれた。これで、2023年9月のFOMC以降、6会合連続で金利は据え置きとなった。

◆他方で、今回の会合ではバランスシートの縮小(QT)ペースを6月から減速することが決定された。FRBはこれまで、国債は毎月600億ドル、エージェンシー債・MBSは毎月350億ドルをキャップにして、保有分を減額してきた。それが今回の決定により、国債の減額キャップが毎月250億ドルへと変更された。他方でエージェンシー債・MBSについては、減額キャップが毎月350億ドルで変更はされず、毎月の減少額がキャップを超える場合は国債に再投資するとした。

◆今回のFOMCの声明文、記者会見を総じてみれば、FOMC参加者が事前に示唆してきたように、利下げ開始の先送りを主なメッセージとして発信するというものであり、市場参加者にとってサプライズはなかった。パウエルFRB議長が追加利上げに消極的であったことは、市場にとって安心といえるが、2024年内の利下げ開始に関してはかなりトーンダウンしており、0.25%ptの利下げを織り込む市場にとってはサプライズとなり得る。年内の利下げ開始を否定するようなサプライズのタイミングとしては、早ければ6月11日・12日の次回FOMCが挙げられるだろう。

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