サマリー
◆2020年11月の大統領選挙本選に向けて、大統領候補者を選ぶ予備選挙 が2月3日のアイオワ党員集会から始まる。共和党の大統領候補者には現職のトランプ大統領が選出される可能性が高いため、本稿では当面の注目点である民主党の予備選挙について取り上げた。
◆民主党の予備選挙には、本稿執筆(1月28日)時点で12名がエントリーしており、複数の候補者の間で支持が分かれている。全米レベルではバイデン氏の支持率がリードしている一方、序盤戦であるアイオワやニューハンプシャーではサンダース氏がリードしている。
◆民主党候補者レースが混戦を極める中、各候補者が打ち出す公約・主張がどれだけ有権者の心をつかむかが大統領選挙を勝ち抜く上で重要となる。民主党支持者の関心が高い社会保障政策に関しては、ウォーレン氏やサンダース氏がメディケア・フォー・オールの導入といったリベラル色の強い政策を打ち出しており、その財源として企業や富裕層への増税が想定されている。
◆ただし、本選でトランプ大統領に勝利するためには無党派層など民主党以外の人々の支持を得る必要があり、経済を腰折れさせ得る増税は敬遠される可能性がある。中道派かつ支持率トップであるバイデン氏が予備選挙の本命と考えられるが、対抗馬であるサンダース氏が躍進するとすれば若年層の政治参加が不可欠になるだろう。
◆民主党の大統領候補者がだれになるにせよ、大統領選本選への準備期間を十分にとるという意味では、候補者選びが長引くことは民主党としては避けたいところである。サンダース氏の支持者は、サンダース氏以外の候補者に好感を抱く割合が低く、民主党の団結という意味では課題となるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日