米国大統領選挙いよいよ開幕
【米国大統領選挙2020①】民主党候補者の政策と予備選挙の注目点
2020年01月31日
サマリー
◆2020年11月の大統領選挙本選に向けて、大統領候補者を選ぶ予備選挙 が2月3日のアイオワ党員集会から始まる。共和党の大統領候補者には現職のトランプ大統領が選出される可能性が高いため、本稿では当面の注目点である民主党の予備選挙について取り上げた。
◆民主党の予備選挙には、本稿執筆(1月28日)時点で12名がエントリーしており、複数の候補者の間で支持が分かれている。全米レベルではバイデン氏の支持率がリードしている一方、序盤戦であるアイオワやニューハンプシャーではサンダース氏がリードしている。
◆民主党候補者レースが混戦を極める中、各候補者が打ち出す公約・主張がどれだけ有権者の心をつかむかが大統領選挙を勝ち抜く上で重要となる。民主党支持者の関心が高い社会保障政策に関しては、ウォーレン氏やサンダース氏がメディケア・フォー・オールの導入といったリベラル色の強い政策を打ち出しており、その財源として企業や富裕層への増税が想定されている。
◆ただし、本選でトランプ大統領に勝利するためには無党派層など民主党以外の人々の支持を得る必要があり、経済を腰折れさせ得る増税は敬遠される可能性がある。中道派かつ支持率トップであるバイデン氏が予備選挙の本命と考えられるが、対抗馬であるサンダース氏が躍進するとすれば若年層の政治参加が不可欠になるだろう。
◆民主党の大統領候補者がだれになるにせよ、大統領選本選への準備期間を十分にとるという意味では、候補者選びが長引くことは民主党としては避けたいところである。サンダース氏の支持者は、サンダース氏以外の候補者に好感を抱く割合が低く、民主党の団結という意味では課題となるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月15日
ポストコロナの人事制度を考える視点
~働く人の意識変化をどう捉えるか~
-
2021年01月14日
2020年11月機械受注
船電除く民需は市場予想に反し2ヶ月連続で増加、回復基調が強まる
-
2021年01月14日
アメリカ経済グラフポケット(2021年1月号)
2021年1月12日発表分までの主要経済指標
-
2021年01月13日
震災10年、被災地域から読み解くこれからの復興・防災・減災の在り方
『大和総研調査季報』 2021年新春号(Vol.41)掲載
-
2021年01月14日
共通点が多い「コロナ対策」と「脱炭素政策」
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く