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特殊要因はあるが、米国雇用環境は改善し続ける

2011年12月の雇用統計:非農業雇用者数は20万人増、失業率は8.5%

2012年01月10日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆12月の非農業雇用者数は前月差20.0万人増と市予想を上回り、米国の雇用環境が底堅く改善していることが確認された。過去2ヶ月の増加ペースのほぼ倍、春先の水準まで回復している。注目される民間部門も21.2万人増とコンスタントに増加。政府部門は引き続き労働市場の足を引っ張っているが、民間部門は拡大しているという構図は変わらない。12月は運輸、なかでも宅配便業者の急増が目立つ。年末商戦に関連してオンライン取引が拡大しているために、一時的に雇用を増やしているとみられ、季節要因が剥落すれば、1月にはマイナスに転じると予想される。ただ、単純に運輸の増分を除いても15万人程度の雇用者が増えている点は事実。建設業や製造業といった生産部門から、教育・健康サービスや小売、レジャー・接客業などサービス部門全般まで幅広く増えている。また、労働時間が延びている点もポジティブだ。しかしながら、賃金水準の回復力は相対的に遅い。依然として企業側優位の労働市場であり、一部のセクターや職種を除くと、企業は待遇を大幅に引き上げなくても必要な人数を確保できる状態である。

◆12月の失業率は8.5%と前月から一段と低下し2年10ヶ月ぶりの低水準に。但し、前月同様にポジティブな要素とネガティブな要素がともに失業率低下に作用しているため、額面通りに受け取ることはできない。経済的理由のパートタイム従業員や潜在的失業者の減少は雇用環境の改善を示唆する。また、労働市場への流入・労働市場からの退出ともにみられ、流動性の高まりを確認。

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