サマリー
◆2025年3月の生産指数は前月比▲1.1%と2カ月ぶりに低下し、コンセンサスを下回った。一部メーカーの生産ライン停止の影響もあり自動車工業が減産したほか、電気・情報通信機械工業などの減産が全体を押し下げた。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、均して見れば横ばい圏で推移するとみている。ただし、先行きの最大のリスク要因は米トランプ政権による関税政策だ。日本への関税率引き上げによる直接的な悪影響に加えて、海外経済の落ち込みによる輸出の減少という間接的な悪影響を通じて、生産指数が押し下げられる懸念がある。
◆2025年5月9日公表予定の3月分の景気動向指数は、先行CIが前月差▲2.0ptの105.9、一致CIが同▲2.4ptの114.5と予想する。この予測値に基づくと、3月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
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