2025年1月全国消費者物価

一時的な要因を除いても物価の上昇基調は強いとみられる

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2025年02月21日

サマリー

◆2025年1月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+3.2%と伸び率が前月から拡大した。食料品価格やガソリン補助金縮小によるエネルギー価格の上昇が物価を押し上げた。さらに生鮮食品の価格高騰の影響を受けて、CPI総合は同+4.0%と2年ぶりの4%台を記録した。もっとも、変動の大きい生鮮食品やエネルギーを除いた全国新コアコアCPIで見ても伸び率は同+2.5%と前月から拡大しており、一時的な要因を除いても物価の上昇基調は強いとみられる。

◆2025年1月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)とエネルギー、耐久消費財は前月から伸び率が拡大した。他方、サービスは前月から伸び率が縮小した。半耐久消費財は前月から伸び率が横ばいだった。

◆先行きの新コアコアCPIは、2024年度に前年比+2.2%、2025年度に同+2.3%、2026年度に同+2.0%となる見込みだ。足元では米など一部食料品の価格高騰が続いているが、そうした動きは徐々に落ち着くとみられる。他方、人件費の増加分を販売価格に転嫁する動きは継続し、賃金と物価の循環的な上昇が定着することで、基調的な物価は前年比+2%程度で安定的に推移するだろう。

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