サマリー
景気はどこまで悪化するのかが世界経済の大きな関心事となっている。歴史的な高インフレ、エネルギー供給不安、サプライチェーンの混乱、急激な金融引き締めへの懸念などが絡み合い、景気見通しの不透明感を強めている。特に欧州では、エネルギー分野でロシア依存から脱却しようとしている中で消費者と企業の景況感の悪化が目立つ。中国では上海市のロックダウン解除後の景気回復がもたつく一方、米国では堅調な個人消費が大幅利上げ継続の根拠になる懸念がある。それに対して、2022年下半期の日本経済は、国内のサービス消費や訪日外客(インバウンド)消費、自動車生産に回復余地が大きく、高めの成長が期待される。相対的に厳しい感染症対策の緩和や、自動車向けの半導体不足の解消が進みつつあることが背景にはあり、米欧中に比べて周回遅れの回復の面が強い。とはいえ、相対的に低インフレであることも追い風としつつ、日本経済はこの機会に出遅れ挽回を図るべきである。
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