サマリー
◆11月前半の消費は10月から持ち直したとみられる。財消費は振るわなかったものの、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことでサービス消費を中心に回復したとみられる。小売店・娯楽施設の人出は回復基調にあり、新幹線の輸送量も持ち直している。県をまたぐ移動も徐々に正常化に向かいつつある。
◆【小売関連】11月前半の大手百貨店の既存店売上高の伸び率は2019年同期比で1割程度のマイナスとなった。客数の回復を受けて、回復基調にある。他方、スーパーマーケットの売上高は前月平均比▲0.3%、ホームセンターは同▲3.5%、大手家電量販店は同▲1.4%、ドラッグストアは同▲2.9%となった。コンビニエンスストアはたばこの増税による駆け込み需要の反動減が一巡し同+2.3%となった。
◆【サービス関連】11月前半の新幹線輸送量は2019年同期比▲3~5割程度、高速道路の交通量は前年比▲5%程度といずれも10月からマイナス幅が縮小した。県をまたぐ移動も持ち直している。また、飲食店情報の閲覧数は2019年同週比で4割減と低水準ながらも8月を底に回復傾向にある。
◆先行きの個人消費は行動制限の緩和を受け、サービス消費が牽引役となろう。加えて、追加の経済対策の効果や、供給制約のあった自動車販売のペントアップ需要の発現なども期待できよう。他方、資源高による家計の負担増加は低所得世帯を中心に影響が大きい点には注意が必要だ(※1)。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2021年9月消費統計
新規感染者数の減少で持ち直し / 10月以降も回復基調が継続
2021年11月05日
-
Go Toトラベル再開のインパクトと求められる視点
事業再開の経済効果は3.7兆円、2.1億人泊分の需要を創出
2021年11月01日
-
日本経済見通し:2021年11月
経済見通しを改訂/行動制限の緩和で本格回復に向かう個人消費
2021年11月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月機械受注
金融業・保険業、不動産業などの受注減で軟調な結果
2025年09月18日
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日