サマリー
◆9月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比+5.0%と5カ月ぶりに増加した。前年比ベースでは、▲1.9%となり、コンセンサス(同▲3.5%)を上回った。また、商業動態統計の名目小売販売額は前月比+2.7%と2カ月ぶりに増加した。
◆9月は中旬以降に新型コロナウイルスの新規感染者数が急減したことで、小売店・娯楽施設の人出が回復し消費を押し上げた。財・サービス別に見ると、生産調整の影響を受けた自動車の急減によって耐久財は前月から大幅に減少したものの、非耐久財、半耐久財、サービスは増加した。
◆10月の消費は回復傾向が継続したとみている。財消費は緊急事態宣言等の全面解除を受け、百貨店の売上高などは急回復した。また、サービス消費も人出の回復傾向が継続していることから増加したとみられる。11月以降の消費も持ち直しの傾向が続くとみているが、冬にかけて原油高が続くと、エネルギー代が増加し、他の消費支出が一定程度抑制される可能性がある点には注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
Go Toトラベル再開のインパクトと求められる視点
事業再開の経済効果は3.7兆円、2.1億人泊分の需要を創出
2021年11月01日
-
消費データブック(2021/11/4号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2021年11月04日
-
2021年8月消費統計
緊急事態宣言、天候不順により大幅減少、10月以降は持ち直しへ
2021年10月08日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日