サマリー
◆コロナショックを受け、企業の過剰債務は足元で76兆円まで増加したと推計される。「追い貸し・金利減免」企業比率も上昇したようだ。感染収束後にこれらの問題に適切に対応しなければ、潜在成長率が低下する可能性がある。他方、感染拡大前からの日本経済の課題であった「長期停滞」は、個人消費の伸び悩みなどを受けた企業の「過小投資」と、手取り賃金の伸び悩みや将来不安の強まり、人口減少による家計の「過少消費」の悪循環が大きな特徴である。将来不安による個人消費の押し下げ額は2000年以降の累計で58兆円と推計される。
◆ポストコロナを見据えた政策の方向性としては、第一に、感染収束後は政策の正常化を図るとともに、プロアクティブな政策に大きく舵を切ることが最大の課題である。グリーン化、デジタル化、地方創生、少子化対策はポストコロナにおいても重要施策であり続けよう。第二に、「過小投資」と「過少消費」の悪循環に歯止めをかけるための取り組みを大きく前進させる必要がある。第三に、人口減少・高齢化が進展する中で働き手を確保し、職務遂行能力を高めて家計所得や企業収益の増加につなげることや、企業の付加価値創出力を高めることは、ポストコロナにおいて重要性が一層増すだろう。
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