ワクチン接種の威力

RSS

2021年05月25日

サマリー

コロナショック後の景気回復は、引き続き新型コロナウイルス感染症の抑制の可否によって明暗が分かれている。感染抑制に成功した中国、ワクチン接種完了者が人口の4割近くに達している米国は、1-3月期に高成長を達成した。一方、同時期に感染再拡大で行動制限や店舗営業制限の強化を余儀なくされた欧州と日本はマイナス成長であった。もっとも、英国を筆頭に欧州でもワクチン接種が進む中、5月に入ってさまざまな制限を緩和する動きが出ており、4-6月期はプラス成長に転じると予想される。ワクチン接種がようやく本格化した日本も7-9月期にはプラス成長へ転じ、外食、旅行、娯楽など大きな打撃を受けてきた産業の持ち直しが期待される。経済予測においてワクチン接種の進捗状況が大いに注目されるが、感染抑制と景気回復で先行する米国ではインフレや金利上昇、中国では不動産バブルと次の懸念材料が浮上している。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート