サマリー
コロナショック後の景気回復は、引き続き新型コロナウイルス感染症の抑制の可否によって明暗が分かれている。感染抑制に成功した中国、ワクチン接種完了者が人口の4割近くに達している米国は、1-3月期に高成長を達成した。一方、同時期に感染再拡大で行動制限や店舗営業制限の強化を余儀なくされた欧州と日本はマイナス成長であった。もっとも、英国を筆頭に欧州でもワクチン接種が進む中、5月に入ってさまざまな制限を緩和する動きが出ており、4-6月期はプラス成長に転じると予想される。ワクチン接種がようやく本格化した日本も7-9月期にはプラス成長へ転じ、外食、旅行、娯楽など大きな打撃を受けてきた産業の持ち直しが期待される。経済予測においてワクチン接種の進捗状況が大いに注目されるが、感染抑制と景気回復で先行する米国ではインフレや金利上昇、中国では不動産バブルと次の懸念材料が浮上している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2021年5月
経済見通しを改訂/ワクチン接種ペース別の感染シミュレーション
2021年05月24日
-
米国経済見通し 懸念は感染からインフレへ
消費・投資への悪影響や“CPIショック2.0”には要注意
2021年05月21日
-
欧州経済見通し 軌を一にする難しさ
各国で成長ペースとインフレ状況が異なるという現実
2021年05月21日
-
中国:「灰色のサイ」をどう制御するのか
不動産投資・投機の抑制とそれにかかわる銀行貸出等の抑制
2021年05月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日