サマリー
◆5月12日に公表された4月のCPIが市場予想を大きく上回ったことで、金利上昇によるバリュエーションが調整されるとの思惑から、株価が大きく下落する“CPIショック”が発生した。CPIの内容を見ると、ベース効果や一部の供給制約の影響、そしてポストコロナへの移行がインフレ加速の主因であり、その他のインフレ圧力が高まっているわけではない。しかし、“CPIショック”を通じてインフレ加速に対する警戒感が強まったのは確かである。
◆2021年は下半期を中心にGDPギャップのプラス幅が拡大すると見込んでおり、インフレ圧力が高まると考えられる。他方で、そもそもGDPギャップに対するインフレの弾力性が低下していることから、GDPギャップのプラス幅ほどインフレが加速しないことも想定される。加えて、供給制約が徐々に解消されることで、2022年以降はインフレ圧力が緩和していくと見込む。
◆もっとも、当面はインフレ圧力が相対的に高くなる中で家計の消費行動や企業の事業活動が消極化し、需要低下によって縮小均衡へと至るリスクもある。加えて、CPIの一時的な加速が金利上昇をもたらす“CPIショック2.0”がテールリスクとして考えられる。6月のFOMCで市場参加者に余計な疑念を与えないようコミュニケーションが取れるかが、“CPIショック2.0”を避ける上で肝要となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
FOMC 2会合連続で金利据え置きを決定
中東情勢に加え、議長人事が金融政策運営の不確実性を高める
2026年03月19日
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
米雇用者数が大幅減となった背景は?
2026年2月米雇用統計:もともとの軟調さに加え、寒波・ストライキが下押し
2026年03月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

