サマリー
◆新型コロナウイルスの影響は需要ショックであると同時に供給ショックであり、サプライチェーン網が多数の地域にまたがって広がることによるデメリットが世界的に顕在化している。本稿では、グローバルなサプライチェーンの構造、および生産の波及経路を明らかにし、今後の世界経済へのインプリケーションを探る。
◆国際産業連関表を用いた波及効果の分析によれば、サプライチェーンを通じた生産1単位当たりの他国への波及効果は、需要・供給の両面において台湾、韓国などが大きく、米欧中は小さい。ただし、生産規模も考慮すれば中国の存在感が非常に大きい。
◆世界のサプライチェーンは、東アジア、EU、NAFTAの3極を中心に形づくられ、その3極が相互に影響を及ぼしあっている。こうした構造を踏まえると、今後は欧米での生産停滞が中国の持ち直しを阻害する可能性が示唆される。
◆日本を取り巻くサプライチェーンの状況を確認すると、一国全体では需要・供給の両面において中国への依存度が非常に高い。しかし、業種別では、製品の性質などによって、影響を受けやすい国・地域や、その影響の大きさ、波及経路に違いが見られる。自動車産業などは海外から供給面で影響を受けやすく、供給制約による生産の下押しが続く可能性があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+3.3%を予想~
設備投資は減少も、個人消費と輸出に支えられ2四半期連続のプラス
2026年04月30日
-
2026年3月鉱工業生産
無機・有機化学工業などが減産、中東緊迫化の影響が表れ始めた
2026年04月30日
-
2026年3月雇用統計
失業率は2.7%と2カ月ぶりに上昇
2026年04月28日
最新のレポート・コラム
-
令和8年金商法等改正法案 スタートアップ企業への資金供給の促進に関する改正案
有価証券届出書の提出免除基準の引き上げや特定投資家私募の対象拡大
2026年04月30日
-
令和8年金商法等改正法案 サステナビリティ情報の開示・保証に関する改正案
セーフハーバー・ルールや第三者保証に関する規定を整備
2026年04月30日
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+3.3%を予想~
設備投資は減少も、個人消費と輸出に支えられ2四半期連続のプラス
2026年04月30日
-
FOMC 3会合連続で金利据え置きを決定
パウエル議長の任期満了、次期議長下での注目点は?
2026年04月30日
-
デジタルマネーは決済の主役になれるのか ~先行事例から考える普及要素~
特集記事「Web3・デジタルアセットが開く新世界」シリーズ
2026年04月28日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

