サマリー
◆2019年7-9月期の実質GDP成長率(二次速報)は前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)と、一次速報(前期比年率+0.2%、前期比+0.1%)から大幅に上方修正された。同結果は市場の予想レンジ上限を上回る。上方修正に寄与した要因は、法人企業統計の結果を受けた民間企業設備、民間在庫変動、そして年次改訂および直近の基礎統計を反映した家計最終消費支出、政府最終消費支出など、広範にわたる。
◆過去の日本経済は、「弱い外需を強い内需が相殺する」構図を示してきた。この内需の強さの背景には駆け込み需要や軽減税率制度・キャッシュレス決済対応需要など、特殊要因が含まれる。今後を見通すと、特殊要因の剥落、および消費増税の負の所得効果が発現することにより民間の内需は減速に向かう公算が大きい。他方で、大型経済対策が全体の成長率を支える。「弱い民需を強い公需が相殺する」構図へと成長の中身が変化していく公算が大きい。
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