サマリー
◆2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)となった。1-3月期に続き市場予想の上限値を上回る着地であり、プラス成長は3四半期連続となる。成長率への前期比寄与度を分解すると、国内需要が+0.7%pt、純輸出は▲0.3%ptとなり、内需の好調さが際立つ内容となった。
◆ただし、今回発表された統計値には①10連休効果、②自動車等の駆け込み出荷、年度替わりを受けた③研究開発投資の段差、④政府消費支出の段差などの特殊要因が含まれている可能性には一定の留意が必要だ。これらの特殊要因を除くと、内需は「絶好調」とまでは言えないが、「外需は冴えないが内需は堅調」という全体評価に変わりはない。
◆先行きの日本経済は、一定の駆け込み需要が発生し得る7-9月期まで一旦成長が続いたのち、10月の消費増税以降は再び、潜在成長率を若干下回る低空飛行を当面続ける公算が大きい。世界経済の減速と通商摩擦の深刻化を背景として輸出が足踏みを続ける中、稼働率の頭打ちが設備投資を、雇用者報酬の伸び率鈍化が消費の回復を阻害する可能性にも細心の注意を払っておく必要がある。
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