サマリー
◆【18年11月の消費】需要側の家計調査では前月から増加、供給側の商業動態統計では減少と対照的な結果になったものの、総合的に判断すると小幅に減少したとみられる。家計調査で全体を押し上げたのは、いずれも同調査のサンプル数の少なさに起因するぶれの大きい項目である。ぶれの大きい項目を除いた系列では減少している。11月は平年より気温が高かったため、光熱・水道などが押し下げに寄与した。
◆なお、本日公表予定だった消費動向指数(CTI)は、指数作成に用いているデータ(2018年4月分以降)の一部に誤りがあることが判明し、公表が延期された。誤りの内容としては、世帯主年齢が1歳ずれていることであり、影響は限定的とみている。
◆【先行き】実質個人消費は一進一退が続くとみている。これまで、労働需給のタイト化に伴う名目賃金上昇の効果は物価高により相殺されてきたが、今後は、原油価格が直近まで大きく下落してきたことがラグを伴って顕在化することで、実質賃金も上昇に向かうだろう。ただし、人手不足に伴う賃金上昇を賃金カーブのフラット化や残業削減によって企業が相殺することにより、名目賃金の上昇ペースが鈍る可能性には注意が必要だ
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