サマリー
逆オイルショックを生んだ原油の供給過剰は、米国のシェールオイル増産、リビア、イラクの生産回復、OPECの減産回避など供給側の要因が大きいが、需要側にもユーロ圏の停滞、中国経済の減速などといった要因がある。原油価格の下落がシェールオイルの投資計画を減少させ、最終的に産出量の調整に至る可能性が高いと思われるが、同時に採掘コストも低下しており先行きは不透明である。他方、デフレの危機に直面するユーロ圏では鉱物性燃料の輸入額が2012年の前半をピークに減少し続けている。中国の原油需要は伸びているが、経済成長の鈍化とともにその勢いはペースダウンしている。比較的最近まで中国の旺盛なエネルギー需要が原油価格を趨勢的に押し上げる要因の一つとみなされていたが、情勢は変わった。2014年の中国の経済成長率は24年ぶりの低い水準であった。原油価格の下落は実質的な減税と同じであり、世界経済に与えるメリットは大きい。だた、それが各国で景気回復を促すカンフル剤として顕在化するまで原油相場を巡る混沌とした状況は続く。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:成長率低下は当たり前
2014年は7.4%成長。安定した雇用の維持のため景気下支え策を継続
2015年01月21日
-
欧州経済見通し 金融緩和の成果が問われる
ドイツの景況感は3か月連続で改善
2015年01月21日
-
米国経済見通し 賃金上昇は偏っているのか
原油価格の変動で実態が把握しにくいがインフレ圧力は限定的
2015年01月21日
-
日本経済見通し:日本経済のリスク要因を検証する
景気は緩やかな回復軌道を辿る見通しだが、4つのリスクに要注意
2015年01月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)
中東情勢が悪化するもGDPへの影響は限定的で、2四半期連続の増加
2026年05月19日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)予測(改訂版)~前期比年率+2.9%に下方修正
直近公表の基礎統計を踏まえ、個人消費と外需をそれぞれ下方修正
2026年05月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

