サマリー
◆新たな連邦議会が始まった。オバマ大統領による一般教書演説と予算教書発表を経て、財政論議が本格化することになる。最初の課題となるのは、2015年度の暫定予算のうち、国土安全保障省関連の予算が2月末で切れることである。
◆金融政策については、2014年の12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で声明文を変更し、2会合程度先のFOMCまでは政策変更に「忍耐強くなれる」とした。1月のFOMCでは政策変更の可能性は極めて低い。今後、雇用環境の改善が賃金を上昇させ、インフレ率の押し上げにつながるか議論されることになろう。
◆雇用環境は緩やかな改善を続けているが、賃金は伸び悩んでおり、個人消費を上振れさせるような改善には至っていない。賃金の上昇圧力は一部に偏っていることで、内生的なインフレ圧力は抑制され、住宅販売が伸び悩んでいると考えられよう。
◆原油価格の急落によって、経済の実態を把握しにくくなっている。インフレ率が大きく下振れするほか、エネルギー利用者と供給者側で影響はまちまちであるためだ。原油価格が落ち着きを見せるまでは、プラス、マイナスの両面がそれぞれ時間を置いて発現し、公表される経済指標も振れやすくなると考えられよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
FOMC 0.25%ptの利下げを決定
先行きの利下げペースに関しては予想がばらつく
2025年09月18日
-
非農業部門雇用者数は前月差+2.2万人
2025年8月米雇用統計:雇用環境の悪化が継続し、利下げが近づく
2025年09月08日
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日