サマリー
供給過剰による原油価格急落への市場の初期反応は、原油輸入国に与えるプラスの所得移転効果よりもむしろロシアなどの産出国やエネルギー産業への打撃に対する懸念として現れ、一時、主要国の株価は下落、資源国通貨は大幅に減価した。しかし原油安の効果はタイムラグを伴って原油消費国の実質所得を確実に増やす。日本の場合、原油価格を60ドル/バレル、ドル円レートを118円と仮定すると、年間の原油輸入額は約5兆円節約される。原油に連動する天然ガスやその他の石油製品を含めれば、実際の効果はさらに大きくなる。こうした所得移転効果はエネルギー効率が優れていない国ほど享受することになるだろう。他方、原油安はインフレ率を低下させるため、デフレ懸念が強まるユーロ圏ではECBに量的緩和の実施を後押し、米国ではFRBに利上げのタイミングをより慎重なものとさせる。2014年は主要国で景気見通しの下方修正が繰り返されたが、2015年は逆の展開となる可能性が高いのではないか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:2015年は本当に変わるのかを見極める年
仕切り直しの改革「深化」元年となるか
2014年12月19日
-
2015年の欧州経済見通し
追加緩和に踏み込むECB、利上げ開始時期を探るBOE
2014年12月19日
-
2015年の米国経済見通し
政策不透明感復活も民間部門は底堅く、金融政策は慎重に正常化へ
2014年12月19日
-
2015年の日本経済見通し
景気は緩やかな回復軌道を辿る見通しだが、4つのリスクに要注意
2014年12月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
CPIの2025年基準への改定による影響
コアCPIの前年比上昇率は0.0~▲0.3%pt程度の下方改定か
2026年07月16日
-
2026年5月機械受注
船電除く民需は前月の反動などで大幅に減少
2026年07月15日
最新のレポート・コラム
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
資金繰り支援から企業価値向上支援へ
地域金融機関に求められる企業支援の在り方
2026年07月21日
-
中間配当の導入は株価を動かすか
開示直後は好感されるも、効果のインパクトや持続力は弱い
2026年07月17日
-
経済産業省「公正な買収の在り方に関する研究会」による企業買収行動指針のポイント・Q&A(案)
指針の趣旨を明確化~「企業価値」や「望ましい買収」とは?~
2026年07月17日
-
AI時代の競争力を生むのは誰か? ~シリコンバレーとシアトルが示す「人材エコシステム」の力~
2026年07月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

