サマリー
◆ユーロ圏の2020年7-9月期の実質GDP成長率(速報値)は前期比+12.7%(年率換算+61.1%)となり、1995年の統計開始以来で最大のプラス成長となった。ユーロ圏各国において、ロックダウン(都市封鎖)の段階的な解除を受けて企業活動が再開し、人々が徐々に日常生活を取り戻しつつあった結果である。
◆もっとも、大幅増となったのは2020年上半期の2四半期連続の大幅な落ち込みからの反動増にすぎない。依然として7-9月期の実質GDPの水準は、リセッション入り前の2019年10-12月期の水準を4.3%下回っており、回復過程が道半ばであることを示している。
◆むしろ、9月下旬以降、新型コロナウイルスの新規感染者が今春を上回るペースで急拡大していることから、欧州各国は感染拡大を抑制するために再度規制措置を強化し、人や物の流れは再びストップし始めている。さらに、11月に入って、ドイツやフランス等は、より厳格なロックダウンの導入に踏み切っており、景気の下押し圧力が高まることは避けられない。景気のダブルディップ(二番底)シナリオが現実味を増している。
◆10月29日のECB理事会では、政策金利の据え置きやパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模・期間など、現行の金融政策の枠組みを維持する決定をした。その一方で、ECBは、コロナ危機が再び強まっている状況を踏まえ、次回12月の会合で追加緩和の行動を取ることを異例の形で表明した。もっとも、今回のECBの対応を受けて、市場の期待は相当高まっており、中途半端な内容では大きな失望を招く恐れが出てこよう。
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