サマリー
◆インドの2025年度(2025年4月~2026年3月)予算案のポイントは、歳入額の伸びの鈍化が制約となる中、これまで予算の目玉となってきたインフラ投資と、近年減速気味である中間層の下支えをいかに両立させるのか、という点だった。結論として、今回の予算案は後者を重視するものであったといえる。インフラ投資は、中長期的な成長に資するものである一方、減税は目先の景気回復に寄与する傾向がある。
◆インドにおける中間層の消費バスケットを見ると、食品・飲料・化粧品などの日用消費財(FMCG)や住居の占める割合が大きい。他方で耐久財への支出規模はそれほど大きくない。今回の所得減税による恩恵が、FMCGだけでなく、企業投資の誘発効果が大きく、裁量的支出である耐久財セクターにまで波及すれば、インド経済が7%近くの力強い成長を遂げる可能性も否定できないだろう。
◆また本稿では、インドで注目されるセクターへの影響もまとめた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
-
インド出張報告
製造業育成と雇用創出を実現するには、抜本的な政策転換が必要
2024年10月18日
同じカテゴリの最新レポート
-
インド:所得減税・GST改正の効果は?
GST税率引き下げは耐久財消費を喚起。企業投資につながるか注視
2025年11月14日
-
インドネシア:弱含む内需への対応策は?
雇用問題が消費者心理に影響。ヒト・モノへの投資バランス調整を
2025年11月13日
-
なぜベトナムは「不平等協定」を結ぶのか
米国・ベトナムの「ディール」を解明する
2025年08月14日

