インド2025年度予算案:消費回復が民間投資を促す好循環を生むか

企業投資の誘発効果の大きい耐久財セクターへの波及がポイント

RSS

2025年02月06日

サマリー

◆インドの2025年度(2025年4月~2026年3月)予算案のポイントは、歳入額の伸びの鈍化が制約となる中、これまで予算の目玉となってきたインフラ投資と、近年減速気味である中間層の下支えをいかに両立させるのか、という点だった。結論として、今回の予算案は後者を重視するものであったといえる。インフラ投資は、中長期的な成長に資するものである一方、減税は目先の景気回復に寄与する傾向がある。

◆インドにおける中間層の消費バスケットを見ると、食品・飲料・化粧品などの日用消費財(FMCG)や住居の占める割合が大きい。他方で耐久財への支出規模はそれほど大きくない。今回の所得減税による恩恵が、FMCGだけでなく、企業投資の誘発効果が大きく、裁量的支出である耐久財セクターにまで波及すれば、インド経済が7%近くの力強い成長を遂げる可能性も否定できないだろう。

◆また本稿では、インドで注目されるセクターへの影響もまとめた。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート