サマリー
◆金融市場における悲観と楽観の交錯は、当面継続するとみざるを得ないだろう。パウエル発言が与えた足元の「安心感」の強度と賞味期限にも慎重であるべきと考える。例えば、潜在成長率を上回るとされる2019年の米国成長率のコンセンサス見通しが顕著に下方修正されるなどすれば、「当面利上げは棚上げ」といった観測は市場の安心材料としては意味をなさなくなる。
◆新興国にとってのテーマはドル金利の上昇からグローバルな景況感の悪化に移行しつつある。いずれも逆風であることに変わりはないが、その端境期的な小康状態が昨年秋以降生じており、新興国自身の景況感が一定の安定を見せていることは、今後の逆風への耐性を強める上で好材料であろう。逆風とはいっても、嵐で転覆といった事態が想定されるわけではない。
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