サマリー
◆IMFは2018年、2019年の世界経済の堅調持続を見込む中、2019年にかけて先進国が減速、新興国は加速すると予想している。世界景気拡大の先導役が先進国であったことからすれば、ピークアウトも先進国が先というのは自然なように思えるが、時に新興国は先進国経済の強さゆえのダメージを被ることがある。差し当たりはドル金利上昇がもたらす新興国通貨の下落圧力、強いられた金融引き締めとその広がりに注意が必要である。更に、ドル金利の上昇が止まれば、新興国は米国景気後退に伴うリスク・オフを心配しなくてはならなくなる。
◆新興国の成長加速が実現するには、米国金利の低下(低位安定)と景気拡大の組み合わせ、言い換えれば、適温経済の完全復活が必要である。だが、米国における労働市場のひっ迫がより顕著となる中で、それが可能であるとは思われない。2017年以降の「落ちこぼれの少ない」世界経済の拡大が2019年にかけて崩れるとすれば、ダウンサイドリスクが勝るのは新興国であろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
ランサム攻撃を巡る動向:脅威インテリジェンス
DIR SOC Quarterly vol.9 2024 autumn 掲載
2024年10月11日
-
人的資本経営におけるエンゲージメントの重要性
エンゲージメント調査の調査項目の留意点について
2024年10月11日
-
拡大するランサム攻撃による被害:平時の対策と有事の対応方法
DIR SOC Quarterly vol.9 2024 autumn 掲載
2024年10月10日
-
「東海」「四国」など7地域で改善~石破新政権や海外情勢の動向も注視
2024年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2024年10月09日
-
「未婚男性は極端に短命」というのは誤り~未婚男性にとっても「年金の繰り下げ」は有用
2024年10月11日
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日