サマリー
◆ウクライナ、アルゼンチン、イラクなど局所的な危機が少なからず進行する中で、グローバル金融市場は安定、むしろリスク・オン的な状況となっている。その背景にあるのが、原油価格と米国景気、及び米ドルの関係の変化であろう。米国の原油価格の上昇に対する耐久力が高まり、イラク危機などに拍車をかけられた原油高が米国の景気拡大期待を挫き、米国主導型の世界経済回復シナリオを頓挫させるリスクが低下している。
◆とはいえ、イラク情勢の混迷激化などによる過度の原油価格上昇のリスクには一定の注意を払っておく必要がある。所得流出主体の支出減少の程度は流入主体の支出拡大を上回る可能性が高く、トータルで世界経済を悪化させる可能性があるためである。
◆「新興国悲観論」の後退は、新興国が成長パフォーマンスを改善させる条件であるが、新興国は自ら期待成長率の上方修正を促すアピールを継続する必要がある。そこで決定的に重要となるのは、成長率回復、経済的非効率克服に向けた政治的意思である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
消費データブック(2024/11/6号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2024年11月06日
-
国内外で広がるインパクト投資:現状と課題
上場株式への投資や、年金基金等の取り組み拡大がカギに
2024年11月06日
-
詳説・プロダクトガバナンスに関する原則
顧客本位の業務運営に関する原則の補充原則として策定
2024年11月06日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算
基礎控除を75万円引上げると約7.3兆円の減税
2024年11月05日
-
相互取引可能なボランタリー・カーボン市場(VCM)ネットワークの構築によって脱炭素化を加速
~APEC域内での国際取引実現に向け、ABACは試験的な売買を目指す~
2024年11月06日
よく読まれているリサーチレポート
-
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日