アジア新興国現地法人の資金調達の方向性
大きく変動する為替に海外現地法人はいかに対処するのか
2014年02月14日
サマリー
◆2013年12月に公表された「金融・資本市場活性化に向けての提言」、いわゆる金融版の成長戦略では、海外現地法人の資金調達にスポットが当てられている。ASEANなどへの海外現地法人の進出が増える中で、過度な為替変動による海外現地法人の為替リスクを低減させ、事業の安定性を高めることなどが背景にあると思われる。
◆海外現地法人の資金調達は、外貨建ての資金調達が多いと推測される。その場合、仕入と売上においても外貨で取引が行われている業種もあるが、現地通貨で取引が行われている業種もある。
◆①ASEAN現地通貨の対日本円、対ドルでの短期間での為替の大きな変動(為替リスク)、②リーマン・ショック等で米ドルの流動性の不足によって、貿易や投資の円滑なファイナンスに支障をきたしたこと(流動性リスク)、を考えれば、現地通貨で売上と仕入が行われる業種は、現地通貨建てで資金調達を行うことが望ましい。そのためには、公的金融機関の現地通貨建て資金調達の支援等を積極的に活用しつつ、為替リスクと流動性リスクを回避することがひとつの手である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月22日
金融商品の評価
金融商品の価値はどのように算定するのか?
-
2021年01月22日
2020年12月全国消費者物価
コアCPI変化率は約10年ぶりに▲1%台まで下落幅が拡大
-
2021年01月22日
家計の住宅ローンを点検する
近年の動向とコロナショックによる現時点での影響
-
2021年01月21日
2020年12月貿易統計
欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み
-
2021年01月21日
社外取締役に期待される役割の開示~改正会社法施行規則
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く