サマリー
◆株・債券および通貨のトリプル安が続く中、8月29日、インドネシア中銀は緊急金融政策決定会合を開き、政策金利を50bps引上げ、7.0%とした。
◆今回のトリプル安は、経済成長率の低下、経常赤字に米国の量的緩和縮小観測が重なり、市場が過剰に反応し、資金流出につながったことが要因である。
◆新興国の中ではインドネシアの資金流出規模は大きいが、政策金利の引上げで相対的にはその規模は小さくなるとみられる。金融市場の安心感につながるだろう。また、市場流動性を絞ることで上昇し続けていたインフレ率の抑制にも寄与すると思われる。
◆利上げで経済成長の鈍化は避けられないが、通貨危機が生じる可能性は低いだろう。アジア通貨危機時と比べ、十分な外貨準備の蓄積やチェンマイ・イニシアティブのような金融セーフティネットの整備が進んだためである。
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