サマリー
◆7月の消費者物価上昇率6.5%に対する寄与度は、食品4.4%、非食品2.1%であり、項目別には豚肉が1.5%と最大の寄与度となっている。豚肉価格の行方が今後の物価動向を大きく左右する要因のひとつであるが、大和総研では、既にピークを付けた可能性もあると考えている。その背景は、(1)7月の豚肉価格安定化策発表による上昇期待の減退、(2)2011年2月以降、豚飼育頭数は前年比で増加に転じ、肥育期間6ヵ月をプラスした8月以降の供給増加期待、などである。7月の諸政策の効果が本格的に出現するであろう2012 年夏場以降は、供給増加による価格下落をも想定する必要があるのかもしれない。いずれにせよ、今回の消費者物価上昇の要因のひとつである豚肉価格は落ち着きを取り戻していこう。
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