2022年09月28日
サマリー
◆本稿では、ロシアへの金融制裁を受けて注目を浴びている人民元決済システムCIPSの概要と今後の展開を見定める上でのポイントを整理した。
◆CIPSは決済通貨が主に人民元であることや、送金情報の伝達手段においてSWIFTに依存している部分が少なくないことから、短期的に見るとCIPSがSWIFTを代替できる範囲は限定的である。
◆長期的な視点から見ると、CIPSがSWIFTの代替手段として普及するには、ネットワーク拡大と取り扱い通貨である人民元の国際決済での利用増加の2点が重要となる。
◆対ロシア金融制裁を受けて、万が一の代替ルートとしてCIPSに参加する機関は増加するとみているが、実際に利用が進むか否かは人民元の利用動向次第となろう。今後も資本取引規制の壁が残る限り、人民元が広く普及することは困難であると推測される。
◆ただし、足元で米ドル決済を制限されたロシアによる人民元の利用が急増している。こうした動きが将来的な金融制裁を憂慮する他国にまで広がっていくのか、今後のCIPSの展開を見定める上で、引き続き注視していく必要があるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
対ロシア金融制裁で注目されるCIPSとは
2022年04月05日
-
米ドル覇権に挑戦するデジタル通貨の国際決済構想
2021年10月04日
-
デジタル人民元は人民元の国際化にどう作用するか?
2021年07月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
家計部門の預金残高の推計(後編)
都道府県別の預金残高と金融商品選択志向の変化
2026年09月11日
-
家計部門の預金残高の推計(前編)
国内全体の預金残高の推移
2026年09月11日
-
新コードに基づくCG報告書の開示が始まった
開示原則以外の記述は?解釈指針への対応は?
2026年09月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

