9月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

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サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2018年9月調査結果が発表された。企業金融関連DIでは、資金繰り判断DI(全規模・全産業)は前回調査から横ばいの18%pt、金融機関の貸出態度判断DI(同)は前回調査から1%pt低い24%ptであった。

◆借入金利水準判断DI(最近、全規模・全産業)は前回調査から2%pt高い-1%ptである。借入金利水準判断DI(先行き、同)については、前回調査から3%pt高い7%ptであり、足元の国債利回りの上昇などを受け、借入金利の先高観が強まっているようだ。

◆今回の日銀短観では、引き続き良好な資金繰り環境が確認された。ただし、不動産に対する金融機関の貸出態度判断DIには低下が見られる。日銀の「貸出先別貸出金」によれば、不動産業向けの貸出残高は増加が続いているものの、伸び率は鈍化している。また不動産業向けの設備資金新規貸出額(前年同期比)は2017年6月末調査から5四半期連続でマイナスになっており、金融機関の貸出姿勢が変化している可能性がある。

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