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「トルコ・ショック」で懸念すべきこと

連想が重なることで国際的に波及する可能性も

金融調査部 研究員 矢作 大祐

金融調査部 研究員 森 駿介

金融調査部 研究員 中村 文香

金融調査部 主任研究員 土屋 貴裕

サマリー

◆足元、トルコは通貨、国債、株価のトリプル安という「トルコ・ショック」に直面している。「トルコ・ショック」はトルコが元々国際資金フローの変動に脆弱であったことに加え、エルドアン大統領の強硬姿勢を背景に、米国-トルコ関係の緊張が高まったことが契機となって発生した。こうした中、「トルコ・ショック」がグローバルに伝播するのではないか、との懸念がある。

◆米国-トルコ関係の悪化は個別の問題であり、政治的緊張といったトリガーがなければ、他の新興国への影響は限定と考えられる。ただし、米国の利上げが継続すると見込まれる中で、脆弱国を中心に資金流出懸念はくすぶっている。何らかのトリガーがひかれた場合、トルコ・ショックが他人ごとではなくなるかもしれない。

◆トルコに対してエクスポージャーを持つ国・地域でも、各国与信全体に占めるトルコ向け与信のシェアは相対的に低い。ただし、トルコリラ安を背景に、リラ建ての与信が多いスペイン、フランスに関しては為替差損の発生、ドル建ての与信の多いイタリアに関してはトルコ企業等の債務返済コストの上昇に留意すべきと言える。

◆今回の「トルコ・ショック」をまとめれば、米国が利上げを継続する中で、新興国における資金流出懸念が潜在的に存在しており、政治・外交的な緊張の高まりと対外的な脆弱性が合わせ技となって引き起こされたものと言える。スペイン、フランス、イタリアの銀行の株価が下落したように、不安が資金逃避につながり、連想を通じて結果的に国際的に影響を及ぼす可能性もある。

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