2018年08月07日
サマリー
◆BIS(国際決済銀行、Bank for International Settlements)によれば、2018年3月末の国際与信残高は27.0兆ドルと、2017年12月末から+1.2兆ドル増加した。与信側(銀行側)を見ると、欧州の銀行は欧州先進国向けの与信を中心に残高を増加させた。米国の銀行も欧州先進国向けの与信を大きく増加させている。また、オフショア向けの与信残高の増加率も高かった。
◆邦銀の国際与信残高は、3四半期連続で増加した。邦銀においても、欧州先進国向けの与信残高が大きく増加する一方、米国向けの与信残高はドル調達コストの上昇などもあり、緩やかな増加となっている。
◆与信受入側で見ても、欧州先進国の与信受入残高の増加が大きい。また、新興国の与信受入も堅調に増加しており、先進国と比べ新興国の経済成長率が相対的に高い水準であることが要因の一つと思われる。今後のリスク要因としては、新興国向けのドル建て与信の増加が続く一方、いくつかの国で通貨の減価が生じており、資本流出に繋がりうることが挙げられよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
ドル依存の高まりとリスク伝播の懸念
『大和総研調査季報』 2018 年新春号(Vol.29)掲載
2018年03月01日
-
国際与信は再び中国へ向かう
BIS 報告銀行による国際与信残高統計(2017年第2四半期)
2017年11月14日
同じカテゴリの最新レポート
-
株主還元に比率目標を掲げる主要企業が6割を超える
DOEは機械や化学で、累進配当は卸売業や銀行業での採用率が高い
2025年09月11日
-
特別配当・記念配当の動向と株価への影響
毎年1割程度が特別・記念配当を実施、株価押し上げ効果は短期的
2025年09月09日
-
意見分かれるグロース市場の上場維持基準見直し案
2025年9月に制度要綱が公表予定
2025年07月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日