2016年10月24日
サマリー
◆米国大統領選挙で優勢が伝えられる民主党のヒラリー・クリントン候補は、株式の短期売却益に対する課税強化を公約に掲げている。
◆株式投資家が短期的な利益を求め、企業に配当や自社株取得などの実施を求める圧力を強め、企業の長期的成長を支える研究開発投資を抑制していることの是正を目指している。
◆しかし、クリントン案には批判も多く、長期投資の実現という政策目的と課税強化という政策手段の整合性が問われている。また、証券市場への参加者が減少することが懸念され、証券市場の機能を減殺しかねないとの指摘もある。
◆わが国でも、長期投資の拡大や企業の持続的成長の実現に向けて、様々な政策が検討されており、クリントン案を参考にした政策が提言される可能性はあるが、その際にはクリントン案への批判を踏まえた慎重な検討が必要となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
機関投資家の短期志向と米国大統領選挙
長期投資VS短期志向 第14回
2015年10月06日
-
長期的投資を阻む壁?
2012年07月06日
-
長期的投資を促進するための処方箋?
2012年08月03日
-
共通した理解がないショートターミズム
2013年12月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
特別配当・記念配当の動向と株価への影響
毎年1割程度が特別・記念配当を実施、株価押し上げ効果は短期的
2025年09月09日
-
意見分かれるグロース市場の上場維持基準見直し案
2025年9月に制度要綱が公表予定
2025年07月28日
-
2025年上半期の配当方針等の変更と株価
減益予想が増えるも、累進配当やDOE採用による増配効果が下支え
2025年07月03日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日