2015年08月10日
サマリー
◆本レポートは、戦後の日本の資本市場における対外開放と自由化の経緯をとりまとめたものである。中国が進めつつある資本市場自由化に対して示唆を得ることを念頭に置いて執筆したものであるが、今後、他の新興国においても資本市場の開放および整備・自由化が進むと想定され、その際、日本の経験は示唆に富むものと考えている。
◆日本の資本市場開放における重要なトピックとして挙げられるのは、①1960年代から1970年代前半にかけて段階的に進んだ資本自由化(対内直接投資、対内外証券投資)、②1980年代の日米・円ドル委員会を契機とした東証(東京証券取引所)の会員権開放、③1971年の外証法(外国証券業者に関する法律)成立などを背景とした外資系証券会社の参入増加、④1980年代後半における債券発行市場やデリバティブ市場の整備、である。
◆資本自由化は、競争の促進を通じた企業および資本市場の競争力強化のために必要な措置と考えられる。日本の場合、海外からの開放圧力が最大の原動力であったが、その後の資本市場のグローバル化の基礎となった点で、国内企業にもメリットがあった。ただし、法制度の自由化を進めても、事実上、外資が参入できないケースもあり、その背景には不透明な規制や慣行の存在が指摘された。日本の経験が与える示唆の一つとして、外資の参入拡大に対しては、諸規制・諸慣行を随時見直してゆくことが重要と言えるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
QT下で問われる銀行の国債買入れ余力
IRRBB規制上の余地はなお残るが、原資制約を考慮すると上限は143兆円
2026年10月13日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

