2014年05月12日
サマリー
◆米国でHFT(超高速取引)に対する規制議論が活発になっている。3月末にHFTを批判的に描いた「Flash Boys」が出版されたことで社会の注目が高まった形だが、欧州でもHFT規制の導入が承認されるなど、規制強化の動きは世界的なものになっている。
◆世界的に大きく拡大してきたHFTは、価格発見機能や流動性の面に対してポジティブな効果をもたらすとされる一方で、市場の公正性に対する懸念が拭いきれないことや、市場の安定性に対してリスクをもたらす懸念などが根強く存在する。
◆世界における「長期的投資」を重視しようとする流れ、そして日本でも長期的なリスク・マネー供給を増やそうとする国家的命題の中、そうした投資家を呼び込むためには、少なくとも不公平感に対する疑念の払拭や、市場の公正性確保に向けた努力が必要と考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
高速取引行為(HFT)規制
2017年金商法改正関連シリーズ
2017年06月22日
-
アルゴリズム高速取引(HFT)規制の導入
金融審市場WG報告
2017年01月24日
-
フィデューシャリー・デューティー、HFT、PTS信用取引などを巡る市場WG報告書の概要
2017年01月05日
-
MiFIDⅡによるアルゴリズム取引、HFT規制の概要
2014年09月02日
-
日米株式市場の相違点
株式市場構造と取引手法
2014年07月28日
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日

