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3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

資金繰り判断は変化なし、借入金利の先高観を警戒か

金融調査部 主任研究員 太田 珠美

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2013年3月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DIは前回調査から横ばい、金融機関の貸出態度判断DIは1%ptプラス、借入金利水準判断DIは1%ptマイナスとなった。景況感が3期ぶりの改善となったものの、資金繰りに関して特段改善はみられなかったようである。


◆金融機関の貸出態度判断DIおよび借入金利水準判断DIの変化の要因は、金融機関が大企業に貸出を積極化したこと、また結果として金利競争となり貸出金利が低下した可能性が考えられる。全体的に借入金利水準判断DIの「先行き」がプラスになっていることから、企業は借入金利の上昇を警戒し始めた可能性もある。


◆中堅・中小企業の2013年度上期売上高計画は前年度比マイナスとなっており(2013年度全体でみれば前年度比でプラスの計画)、当面の資金繰りに関して楽観的な見通しを持ちづらい状況にある。中小企業に関しては、2008年後半から行われてきた緊急対策的な中小企業金融支援策が2012年以降縮小していることに対する懸念もあろう。


◆今後の中小企業金融支援策は、緊急措置的な色合いを薄め、経営力強化に主眼を置いた支援になっていくことが見込まれる。流動資産担保融資の推進や、個人保証の在り方の見直しも進んでいる。緊急対策的な支援策が縮小することにより影響を受ける企業は数万社にのぼることが見込まれることから、支援の実効性確保が課題となろう。

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