2016年02月26日
サマリー
◆マイナス金利導入による銀行への影響については、当初は適用対象が一部に留まることから、その直接的な影響(日銀当座預金の金利収入減少)は限定的と思われる。
◆一方、これまでのように新規の資金を日銀当座預金のまま保有することは難しくなることから、貸出・有価証券等に、より多くを振り向ける方向に進む可能性があり、よりリスク性の高い資産の増加や運用手段の多様化が進展することが期待されている。
◆ただし、現在の資金需給、競争環境、金利状況に鑑みると、趨勢的な資金運用利回りの低下傾向はより一層強まると想定され、国内収益(特に資金運用収益)への依存度の高い地方銀行をはじめ、銀行の収益性に対する下方圧力が強まっていくことが考えられる。
◆今後、マイナス金利政策の影響により、本業収益が減少したとしても、日銀の買いオペが続く間は、国債の売却により利益を確保する手段が残されると考えられ、銀行が依存していく可能性も否定できない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
銀行へのマイナス金利政策導入当初の影響
ポートフォリオ・リバランスの促進効果や資金需要の増加は限定的
2016年07月28日
-
地方銀行の資産運用の概況(2014年度)
貸出金の残高増加・利回り低下が続く中、資金運用難が示唆される
2015年08月20日
-
地方銀行が担う"貯蓄から投資へ"の現状
~都道府県別の家計の有価証券保有状況と地方銀行の対応~
2014年08月29日
-
地方銀行の資産運用の動向と今後の課題
~現状の金融政策とその波及効果が地方銀行に及ぼす影響は?~
2014年11月06日
-
地方創生において地方銀行に求められる役割と課題
~地方の特性に応じた地方活性化に向けた地方銀行の役割とは~『大和総研調査季報』 2015年新春号(Vol.17)掲載
2015年03月02日
同じカテゴリの最新レポート
-
地方銀行の越境再編
その土台にある地域経済圏の再構築
2025年07月11日
-
ステーブルコイン推進へ舵を切る米国(後編)
GENIUS法案は如何にして米ドルの支配的地位を補強するか
2025年06月13日
-
ステーブルコイン推進へ舵を切る米国(前編)
ステーブルコインの概要と現況
2025年05月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日