2012年12月14日
サマリー
◆第9回目は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を解説する。
◆GPIFの2011年度末の運用資産総額は、113兆6,112億円となっており、世界で最大の運用規模をもつ公的年金となっている。現行の第2期中期計画(2010~2014年度)の基本ポートフォリオは、2004年3月時点における財政再計算により積立金全体の長期的運用利回りをふまえて策定された、第1期中期計画(2006~2009年度)と同じものを引き続き使用している。
◆具体的には、国内債券に67%±8%、国内株式に11%±6%、外国債券に8%±5%、外国株式に9%±5%、短期資産に5%±0%という資産構成割合をベースにしている。運用資産が巨額であり、市場への影響に配慮する必要があることから、国の示す中期目標に基づき、2011年度末時点では全体の約8割がパッシブを中心に運用している。
◆一方で、運用収益の確保や運用効率化の観点から、新しい資産クラスの調査を継続しており、昨今では、その調査結果に基づいてエマージング株式運用を採用した。今年度はさらに、インフラストラクチャーやプライベートエクイティなどのオルタナティブ投資スキームに関する調査研究を行っている。
(注)本稿は、週刊金融財政事情に執筆中の連載シリーズを加筆修正したものである。
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