2025年10月24日
サマリー
EUの投資家保護規制強化が進展し、アセットマネジメント(AM)会社と販社であるウェルスマネジメント(WM)会社の対応が本格化している。欧州の投資家保護規制には、リテール投資家の資産形成の目標を踏まえ、かつリスク許容度、損失吸収力等、顧客属性に合わせた適切な資産運用商品、運用ポートフォリオを提供するミスセリング回避が基本原則に貫かれている。投資家保護規制の詳細への対応にこだわるあまり、この基本原則に対する本質的な対応を怠り、現状のビジネスモデルの変革に取り組んでいかないと、現在あるコアコンピタンス(付加価値の源泉の強み)が失われていくことになりかねない。大手金融グループは、グループ内でAM・WM会社に分散し重複していた機能を整理して、不必要な機能は削減し、必要な機能は集約することで、コアコンピタンスの強化とコスト削減の両立を図っている。加えて、他社のAM・WM会社との統合・合併を戦略的に選択している。日本国内の金融グループでは、プロダクトガバナンスの本格的な対応が始まったばかりであり、まだまだ基本原則、方針に正面から取り組んでいる金融グループは少ないようにみられる。欧州で見られる本格的な取り組みに早めに着手することが必要ではないか。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
地域金融力強化プランを踏まえた地銀業界再編の方向性
~再編による期待される相乗効果とは~『大和総研調査季報』2026年夏季号(Vol.63)掲載
2026年07月27日
-
予測市場の現状と証券ビジネスへの示唆
未来を価格として表す市場は金融を変えるか
2026年07月02日
-
なぜ、デジタル人民元は「デジタル預金通貨」へ移行したのか
制度変更が示唆する中央銀行デジタル通貨の課題と中国の現実解
2026年06月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

