人権尊重に関する企業評価と日本企業

Corporate Human Rights Benchmarkからみる現状と課題

RSS
  • 金融調査部 研究員 中 澪

サマリー

◆企業の人権尊重をめぐるステークホルダーの視点はより厳しくなり、より多様なステークホルダーから取組みが求められるようになっている。特に近年、機関投資家の間で人権に対する関心が高まっており、企業にとって自らの人権尊重の取組みがどのような水準にあるのかを把握することの重要性が増していると考えられる。

◆人権尊重に関する企業評価であるCorporate Human Rights Benchmark(CHRB)によると、世界的に企業の人権尊重の取組みに対する評価は低い。その中で、日本企業の評価も決して高いとはいえない水準にある。その主な要因としては、経営戦略における人権尊重の明確な位置づけ、人権尊重に向けた具体的な実践や対応が不十分であることが指摘できる。

◆CHRBにおける評価の結果及び過程から、日本企業には、人権尊重の実践の深化と加速、そして人権尊重に関する情報開示の量的な拡充が求められていると考えられる。加えて、その内容をステークホルダーに伝えるためのコミュニケーションの向上も課題となっている可能性がある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート