2023年11月14日
サマリー
◆同性婚が認められていない日本では、異性婚に基づく家族関係を前提とした金融商品・サービスはLGBTQ+の金融排除につながる。本稿では、地方銀行と第二地方銀行(本稿ではこれらを「地域銀行」と総称)に焦点を当て、金融包摂に向けた取組みの現状を明らかにするとともに、その背景と取組みの推進に向けた今後の課題を議論する。
◆地域銀行の間で、同性カップルに対応した住宅ローンの提供が拡大している。地方自治体による「パートナーシップ制度」の導入が、こうした対応を後押ししていると考えられる。その他には、地域銀行の経営課題としてサステナビリティの重要性が高まったことも背景として示唆される。
◆地域銀行全体としては取組みが進展しているが、都道府県間の地域格差がある。もっとも、その地域格差は「進んでいる都市、遅れている地方」という二分法では捉えられない。本店所在地の都道府県別に見ると、東京都や大阪府よりも、島根県や徳島県、佐賀県のような人口規模が特に小さい県の方が、対応している地域銀行の割合は高い。
◆金融アクセスのさらなる改善に向け、対応する地域銀行の増加による地域格差の是正が求められる。今後の課題として、利用条件の見直しやLGBTQ+が安心できる店舗環境づくりへの取組みも必要であると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本の金融業界におけるLGBTQ+包摂
企業調査データの計量テキスト分析から現状を紐解く
2023年02月10日
-
金融デジタル化は金融包摂につながるか
日本における金融排除の潜在的なリスクに注視を
2023年05月08日
-
LGBTQ+の人権をめぐる国連の活動の展開と日本企業への示唆
「国連LGBTI企業行動基準」を参照し国際的に通用する取組みを
2023年06月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
GX-ETS本格稼働で強まるJ-クレジットの早期確保への動き
市場に依存しない、上流(創出)関与と相対・長期での確保が鍵
2026年02月05日
-
人的資本可視化指針改訂で期待される経営戦略と人材戦略の深化
期待される開示の負担軽減と比較可能性の向上
2026年01月23日
-
バイオマス発電の質による選別と高付加価値化への潮流
BECCS・国内資源活用という新たな方向性
2026年01月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日


