2020年09月25日
サマリー
◆EUが取り組んでいるサステナブル・ファイナンス行動計画では①気候ベンチマークの開発、②指数会社等のベンチマーク提供者に対するESG情報開示の強化、が提言されており、これらを具現化するためEUベンチマーク規則の改正が行われている。
◆新たに開発された気候ベンチマークは、気候変動の移行に関連するベンチマーク(EU CTB:EU Climate Transition Benchmarks)とパリ協定に関連するベンチマーク(EU PAB:EU Paris-aligned Benchmarks)の2つである。EU PABの方がより厳しい条件を満たす必要がある。これらのベンチマークが本当に脱炭素社会実現に貢献するのか議論はあるものの、運用は既に開始されている。
◆指数会社等のベンチマーク提供者は、提供するベンチマーク(気候関連であるか否かに関わらず、一般的なベンチマークを含む)においてESG要素を考慮している場合、その内容について開示が求められる。例えばベンチマーク全体の温室効果ガス強度や、ジェンダー間の報酬ギャップ、独立したボードメンバーの比率などが挙げられる。
◆EU域内の規制ではあるが、EU域内のベンチマーク提供者が日本企業の発行する株式・債券を対象とするベンチマークを提供する場合もある。EU CTBやEU PABが他地域にも受け入れられ、似たようなベンチマークが提供されるようになれば、日本の機関投資家が使うベンチマークにも影響してくる可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
進むEUサステナブル・ファイナンスの制度改正
『大和総研調査季報』 2020年新春号(Vol.37)掲載
2020年01月10日
-
欧州銀、サステナブル・ファイナンス規制のタイムライン
【EBA】リスクウェイト調整の是非、EUタクソノミーの運用待ちか
2020年01月09日
-
金融当局が懸念する気候変動リスク
『大和総研調査季報』2020年新春号(Vol.37)掲載
2020年01月10日
-
新タクソノミーで提唱された“brown”の定義
“brown”に該当する企業は、EUのESG投資家から投資されない可能性
2020年05月08日
同じカテゴリの最新レポート
-
気候関連開示規則の廃止案を公表:米国SEC
バイデン政権時代に制定されたGHG関連の開示規則は廃止に
2026年06月02日
-
データサイエンスで紐解く健康経営③
健康経営は生産性や収益性に影響するのか、固定効果モデルで検証
2026年06月01日
-
移住労働者を権利保持者として迎える
ポスト技能実習制度の人権尊重に向けた日本企業の責任
2026年05月27日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

