2020年01月10日
サマリー
気候変動が金融システムの不安定化を招くリスクの一つであるという認識が広がっている。各国の金融監督機関および中央銀行は、金融安定化の観点から、物理的リスク(熱波や干ばつ、洪水、暴風雨や海面の上昇など、気候に関連して発生するリスク)と移行リスク(低炭素社会に向かう調整の過程で発生するリスク)を評価する体制を構築し、金融監督に組み込むことを検討している。世界各国の金融監督機関および中央銀行は「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク」(NGFS)を設立し、国際的な連携を深めており、日本の金融庁や日本銀行もメンバーとして参加している。
先進的に取り組んでいる国では、監督先の金融機関に気候変動に関するストレステストを実施し始めている。現状日本では、気候変動を金融システム安定化のモニタリングや金融監督に組み込むといった、具体的な動きは見られないが、国際的な動向に対応していく過程で、例えば金融機関に気候変動リスクの測定や情報開示を求めていくことなどが考えられる。金融庁や日本銀行と金融機関が連携し、早期に気候変動への対応を検討し始めることが期待される。

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