欧州銀、サステナブル・ファイナンス規制のタイムライン

【EBA】リスクウェイト調整の是非、EUタクソノミーの運用待ちか

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2019年12月6日、EUの銀行監督当局であるEBAは、“EBA ACTION PLAN ON SUSTAINABLE FINANCE”(EBAアクションプラン)を公表している。

◆EBAアクションプランの目的は、サステナブル・ファイナンスについてEBAに課せられたマンデート(EBAマンデート)に基づく政策メッセージを示すことにある。

◆EBAアクションプランは、そのタイムラインや政策メッセージを明確にしたことにより、欧州の銀行がそのビジネスモデルをより「グリーンな」方向にシフトさせるというトレンドを促進する可能性がある。

◆なお、EBAマンデートには、欧州の銀行がもっとも懸念しているであろう、リスクウェイト調整の是非の検証(第一の柱)が含まれている。

◆この点について、欧州の銀行業界としては、EUタクソノミーの運用をみて、その内容を予測することとなろう。

◆こうした一連のサステナブル・ファイナンス規制の動向は、EU域内に拠点のある日本の大手行や、欧州の銀行からの出資や貸付・保証を受けている日本の企業が、直接・間接の影響を受けうるものといえる。日本の銀行業界全体としても、バーゼル合意への反映の動きが出てこないかに関して、注視する必要がある。

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