2020年02月18日
サマリー
◆近年、ESG格付機関のM&Aが散見されるようになり、有用なESG格付の数が絞られてきた。ESG格付の向上を目指す企業は、限りある経済的・人的リソースを自社のESGに関する取り組みやその情報開示に割かねければならない。
◆既存研究では、ESG格付と株価との間には一定の関係性があることが示されているが、格付評価の向上が株価へ影響する経路は明らかになっていない。本稿では考え得る経路を整理し、考察した。
◆過度なリソースの投入は業績を圧迫することになり得ることにも配慮しつつ、自社のESG要素についての情報開示に取り組むことは意義がある。複数のESG格付で一定程度の評価を得ることも重要であり、共通して開示が求められる情報が何であるかという点では国際的な情報開示フレームワークが一助になろう。
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