サマリー
◆2024年の日本経済は、自然災害や自動車の工場稼働停止、実質賃金の回復の遅れなどもあって停滞感が強かった。訪日外客数の増加は続いたが、中国の景気減速などを背景に中国人訪日客数は伸び悩んだ。2024年の日本の実質GDP成長率は▲0.1%と、主要7カ国(G7)の中で最も低い伸びになる見込みだ。他方、賃金・物価上昇の持続性が高まったことを受け、日本銀行(日銀)は利上げを実施するなど金融政策の正常化が進んだ。
◆2025年の実質GDP成長率は+1.6%と見込んでいる。「成長のゲタ」を除くと+1.0%で、実態としては緩やかな回復を想定している。所得環境の改善などにより個人消費が増加に転じるほか、今後3年程度で7兆円弱の経済効果が見込まれる石破茂政権の総合経済対策も景気の押し上げ・下支え要因になるだろう。「103万円の壁」の引き上げ(課税最低限を123万円に、特定扶養控除対象年収を150万円に引き上げの見込み)で、個人消費は0.7兆円程度押し上げられると試算される。
◆日本経済および世界経済の先行きにおける最大の不透明要因は、米国のトランプ次期政権の政策(「トランプ2.0」)だろう。トランプ氏は2024年11月25日、中国への10%の追加関税と、カナダとメキシコへの25%の関税をSNS上で発表した。仮に実現すると、日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.4%程度と試算される。米中対立の更なる激化や、経済安全保障の強化による経済活動の抑制も懸念される。ドル円相場は「トランプ2.0」で大きく変動し得るが、2025年は日米金利差の縮小継続が見込まれることなどを踏まえると、円安よりも円高への警戒が必要だろう。
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