2016年末からの投資信託保有動向の変化

設定額・解約額の増加、毎月分配型・海外REIT型からの資金流出

RSS

2017年08月03日

サマリー

◆2016年末から株式投資信託(ETF除く)の保有行動に変化が見られる。株式投信の設定額・解約額は2016年1月から10月までの期間に比べて、11月以降は高水準で推移している。一方で、過去の株価上昇局面で見られていた株式投信への資金純流入額の膨らみは2016年末からの株価上昇局面では見られなかった。


◆2016年末からは「国内株式型」や「海外REIT型」からの資金純流出が顕著に見られる。また、2012年前後には残高ベースで7割を超えていた株式投信に占める毎月分配型投信の割合は、足下では5割近くまで低下しており、フローで見ても直近3カ月は資金純流出となっている(6カ月移動平均で見た場合)。「国際株式型」などがそれらの受け皿になっていると見える。また、「株式債券型」への資金純流入や株式投信に占める構成比の高まりも確認できる。


◆「株式債券型」普及の動きは、長期投資の普及が進んでいると解釈できるかもしれない。長期投資の動きをさらに後押しすると思われる、2018年1月から開始される「つみたてNISA」の認知度がどの程度高まるかが今後の注目点の1つだろう。40代以下の世代は積立投資に比較的積極的で、この層を通じた「貯蓄から資産形成へ」の進展が期待される。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート