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公的機関の株式保有動向

保有総額6.7兆円、市中売却の凍結期間は延長か?

2015年11月10日

金融調査部 主任研究員 太田 珠美

サマリー

◆株式を保有している公的機関として、日本銀行、銀行等保有株式取得機構、預金保険機構の3つが挙げられる。3法人の保有総額は2015年3月末時点で6.7兆円である。


◆株式の保有は期限付きであり、3法人とも将来的には全て処分することになっている。現在は株式市場への影響等を考慮し、3法人とも市中(取引所市場)売却を凍結している。日本銀行は2016年3月末まで市中売却の凍結期間としており、このままいけば2016年4月以降、市中売却が開始されることになるが、金融政策との兼ね合いや内外金融資本市場の動向等を踏まえ、凍結期間を延長する可能性もある。


◆銀行等保有株式取得機構や預金保険機構は凍結期間の終了時期について特段公表していないが、3法人とも2008年10月に売却凍結を決定したことに鑑みれば、日本銀行が市中売却を開始した場合、他の2法人も売却開始という判断を下すことが予想される。


◆日本銀行が凍結期間を延長した場合、銀行等保有株式取得機構と預金保険機構もこれに追随する可能性が高いが、株式市場の需給面を考慮すれば、日本銀行以外の2法人が先に市中売却を開始することも選択肢として検討されるべきではないか。


◆市中売却の凍結期間中も、自社株買いに応じる場合など、例外的に保有株式を処分する方法はある。仮に3法人とも凍結期間を延長した場合、凍結期間中にできる限り保有残高を減らしておけば、将来市中売却を開始した際に株式市場へ与える影響を小さくできる。(3法人が保有する株式の)発行体においても、自社株買いの要請を検討することが望ましい。

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