2024年12月23日
サマリー
◆2023年6月に国際サステナビリティ基準審議会により、サステナビリティ開示基準が公表された。現在、サステナビリティ基準委員会において、この国際的なサステナビリティ基準をもとにした日本版サステナビリティ開示基準の開発が行われている。
◆金融庁金融審議会のワーキング・グループでは、サステナビリティ開示の制度化にあたり、適用対象、適用時期、保証制度の導入についての議論が行われている。本レポートでは検討中の論点について整理した。
◆海外では、EUにおいて、2023年1月、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)が発効。2024年会計年度より段階的にサステナビリティ報告が求められている。一方米国では2024年3月、米国証券取引委員会が気候関連開示を義務化する最終規則を公表したが、企業等からの反発が大きく、現在、規則は執行停止となっている。
◆サステナビリティ情報の開示は質量ともに充実していく方向であり、投資家にとっては有益である一方、企業の実務対応への負担は年々重くなっている。企業は、①ESGスコア等外部評価の向上の推進、②社内横断的な推進体制の整備、③社内で当たり前に行っていることを明文化すること、等を通して、今後の開示強化に備えたい。
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