2025年07月24日
サマリー
◆2024年の日本人の出生数は70万人を下回る約68万人となり、死亡者数はその倍以上の約161万人となり、その結果、人口は90万人以上の減少となった。これは統計開始以来、最大の人口減少である。
◆地域別の日本人の人口動態では、コロナ禍を経て、出生や死亡を要因とする自然増減が全都道府県でマイナスとなり、これが地域の人口を減少させる大きな要因となっている。一方で日本人の転出入や入出国などによる社会増減の影響は小さくなっている。
◆地域別の外国人の人口動態では、自然増減の影響は小さいものの、コロナ禍を経て、社会増減が全都道府県でプラスとなり、地域の人口を増加させる方向に働く大きな要因となりつつある。
◆総人口に占める外国人の割合は、上位10地域の都道府県で3.0%を超え、地域住民として存在感を増している。
◆総人口に占める外国人の割合が高い地域について、雇用面から見ると、多くの外国人が「製造業」で働いている。また、大都市圏では「宿泊業・飲食サービス業」および「卸売業・小売業」の比率も高い。外国人全体では「医療・福祉」、「建設業」の労働者数が急増している。
◆労働者の需要および生活環境の面から、今後も外国人の増加は大都市圏を中心に進むものと考えられる。
◆地方圏では、主要都市におけるインフラなどの集積を高め、都市の規模を拡大できれば、日本人人口の流出を抑制するに留まらず、外国人にとっても、働き、そして暮らす街としての魅力も増すと考えられる。
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