2025年07月11日
サマリー
◆株式公開買付け(TOB)が近年増加している。本稿では、2020年から2025年6月末までのデータを基にTOBの種類やその使われ方、傾向を調査した。
◆TOBは大きく二つに分類できる。一つは、ある会社が他の会社の株式を取得するために行う「他社株TOB」、もう一つが、自己株式を取得するために行う「自社株TOB」となる。
◆2024年は過去最多127件のTOBが実施され、前年比21.0%の増加となっている。2025年は半年が経過した6月末時点で81件と過去最速のペースで増加しており、このままの傾向が続けば、過去最多件数に達する。
◆2024年は、M&A案件ベースでは95件の他社株TOBが行われた。内訳を見ると、第三者によるTOBが51件と最も多く、次に親会社による子会社または関連会社を対象とするTOBが26件、続いて、MBOを目的としたTOBが18件であった。自社株TOBは29件であった。
◆2025年に入りTOBは昨年を上回るペースで増加している。特徴としては、今までに類を見ないような大型のグループ再編・業界再編、業界を跨いだ再編が行われており、その実現手段としてTOBが利用されている。
◆日本は世界的に見て上場会社数が多く、東京証券取引所は、「日本市場の魅力向上に向けて、上場企業の数ではなく質(投資者の期待に応えた企業価値向上の実現)を重視」する方針を打ち出している。今後、各上場会社が経営の「質」を高めていく過程において、M&Aは当然検討される打ち手の一つとなり、その実現手段としてTOBはこれからも暫くは増えていくことが想定される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
中国:来年も消費拡大を最優先だが前途多難
さらに強化した積極的な財政政策・適度に緩和的な金融政策を継続
2025年12月12日
-
「責任ある積極財政」下で進む長期金利上昇・円安の背景と財政・金融政策への示唆
「低水準の政策金利見通し」「供給制約下での財政拡張」が円安促進
2025年12月11日
-
FOMC 3会合連続で0.25%の利下げを決定
2026年は合計0.25%ptの利下げ予想も、不確定要素は多い
2025年12月11日
-
大和のクリプトナビ No.5 2025年10月以降のビットコイン急落の背景
ピークから最大35%下落。相場を支えた主体の買い鈍化等が背景か
2025年12月10日
-
12月金融政策決定会合の注目点
2025年12月12日


